ロマンス暴風域｜ドラマ見逃し配信/公式フル動画を全話無料で視聴する方法！渡辺大知主演

渡辺大知さん主演の深夜ドラマですが、正直、渡辺さんの演技を見るのは初めてでした。アラサーで、非常勤講師で、女っ気もない自信なさげな男をみごと演じていたと思います。彼の作品をもっとを見返したくなるほど、一気にファンになりました。 とくにセリフをボソボソと言うところなんかは、すごい自然体でいて彼にしか出せないポテンシャルではないでしょうか。風俗の女にハマるというストーリーですが、どこか応援したくなる魅力がありますね。

自分の人生に価値を見つけられない童貞の民生、彼女との付き合いを求めて風俗にチャレンジする気持ち。そんな彼女に恋してしまう気持ち、恋愛に不慣れな状況であれば遊びではなく、本気になっていくのだろうか？しかも、彼女には旦那さんがいる。お金の為に、自分の気持ちの隙間を埋める為に、新しい発見や体験の為に風俗で働くという選択肢。需要があるから風俗のビジネスが成立する。しかし、そこには様々な想いを抱えた女性たちの人生がある。彼女達の母性が男には必要なのかもしれない。男って精神的に弱いから。

主人公の佐藤は人妻のせりかにすごくのめり込んでいると思いました。せりかが人妻であればあるほど、自分の物にしたいという気持ちが伝わってきました。また、せりかも佐藤を旨く翻弄します。せりかの言っていることは本当だと思うけれど、自分の家庭を守っているところも堅実だと思いました。もし、佐藤とせりかが結婚したら、せりかはまた違う人と浮気するだろうと思いました。せりかは守る物は守って、それでもちょっと冒険したいなと思う女性でないかなと思いました。

連絡が取れなくなってしまったせりかに対して待ち伏せをして家を突き止めてしまったり、夫の職場にも行ってしまうところはちょっとやりすぎかなと思いましたが、それだけ彼の思いの強さを感じました。せりかも偽名だったんですね…。せりかは本名だよ、とあんなに艶っぽく話していたのに…。似顔絵も突き返されてしまい、もう会わないという宣言なのでしょうね。夫が君で2人目だよ、という発言も驚きです。やはり彼女はいろんな人をだましていたんですね…。傷心のままなっちゃんという風俗嬢に一緒に住もう、という佐藤君も突拍子ない行動でびっくりです。

主人公の佐藤が好きになったせりか（本当の名前はせいこ）に「この人、知らない。」と言われてかわいそうでした。せりかは所詮、家庭を守りたい人なので、佐藤が一緒になりたいと思ってもダメだと思います。せりかの夫のはじめが言っていましたが、前にもそういうことがあったそうなので、せりかはまた同じことをやるだろうと思いました。それから、次の風俗にいた女性にも佐藤は一緒に住もうと声を掛けていたので、懲りないやつだと思いました。

なっちゃんと同棲をはじめた民生ですが、どこまでも自暴自棄になっているところが見ていてつらかったです。登場はしなかったもののまだせりかのことが忘れられないのでしょう。再会した元カノのアプローチを受けると思いきや、それは断り知らない女性との情事をむさぼるところが彼らしいと思いました。保育士の勉強をしながら本気で民生のことを好きになって「また仕事をやめるかも…」といっているなっちゃんが健気で仕方ありません。

人生崖っぷちで救いがないように見える民生（渡辺大知）と、風俗嬢のなっちゃん（小野花梨）が得た、穏やかな時間が切なくも美しくてドキッとしました。恋の暴走特急なキャラクターを演じることが多い渡辺大地さんですが、臆病で奥手なところとピュアさと静かな熱さを持っている民生はぴったりです。公私ともに様々な困難に見舞われてどん底に落ちている彼がきちんと物事を捕えて考えられるのか、見ている側はちょっと不安になりますが、それでも彼が辿り着いた”何か”が幸福で運命的なものであってほしい、と祈ってしまいます。

非モテの極みのようでありながら、次第にいろいろな女性たちと関わるようになった佐藤（渡辺大知）は、なっちゃん（小野花梨）と同棲、しかし強烈なインパクトを残していたせりか（工藤遥）のことが頭から離れず、さらに元カノのえんちゃん（小林涼子）との再会もあって、心はかきみだされていくばかり。もともと、暴走特急的なお芝居が巧い渡辺大知さんですから、そのあたりの表現が素晴らしく、見ているだけで苦しくなったり、そのなかでくすっと笑わせてくれたり…。内心混乱を極めていくばかりの佐藤をなっちゃんは受け止めてくれるのですが、その優しさにも素直になれない佐藤…誰かにとっての運命の恋は、その相手にとっても同じく運命の恋なのか。関係が入り乱れていく中で、すべての落としどころはどこになるんだろう…とドキドキしながら見ています。

なっちゃん（小野花梨）との暮らしに癒しを求めたものの上手くいかず、民生（渡辺大知）はまたも風俗に癒しを求めようとしてとんでもない相手とある意味最悪のバッティング…しかし、その事件から現実を見つめていくプロセスを渡辺大知さんがとても繊細に、切なく演じていてとても見ごたえがありました。同じ学校で学生時代を過ごした理加（内田理央）が結婚、出産を経て懸命に子供に向き合っている姿に無償の愛の意味を考えるようになり…そんなプロセスがとてもいとおしく、ハッピーエンドとは言い難いまでも、何かをつかんだような民生の表情にほっとするラストでした。

民生のことを本当に好きになってしまったなっちゃんが他の男性の相手をするのを拒絶してしまうのが見ていてつらかったです。せりかとの再会も突然でしたが、彼女の表情がなんともいえない顔ですごいなと思いました。セリカに対しては「風俗の仕事をやめてほしい」と言っていたのになっちゃんに対してはそうでもない民生はやはり明確に違いがあるんだろうなと思ってしまいました。まさかの予備校の同僚と風俗の場で会ってしまうのは気まずすぎでした。結果的になっちゃんと一緒になったことで少なくともなっちゃんは幸せになれたのでは、と思うとちょっとほっとしました。